富士山マラソンのランを考察(標高1000mの高地での大会はタイムに影響したか?)
富士山マラソン2019で、PB更新したときのランを自分なりに振り返って、反省し、次回に活かしたいと思います。
当初の目標
レース前の目標としては、初めてのサブ3.5達成を最低限の目標にしていました。
ですが、富士山マラソンは、標高が800m以上の高地開催。。
高地開催がタイムにどのように影響してくるかわからないので、前半は様子を見よう
と考えていました。
標高が高いと持久系のスポーツのパフォーマンスにはマイナスになりますが、どの
程度マイナスになるかは、なかなか良いデータを見つけることができませんでした。
ちなみに、標高0m地点の酸素濃度が100%とすると、標高900mでは酸素濃度が90%になりますので、その分だけ酸素の取り込み能力が低下すると考えられます。
リザルト
ネットが3時間26分。グロスが3時間27分という結果。
高低差があることに加えて、心拍数を見ながらペースを調整していたので、ラップにはかなりばらつきがあります。
それでも、目標としていたサブ3.5はキッチリ達成できたので、結果には満足です。
ペースコントロールは問題なかったか?
フルマラソンを何度か走ってみて感じたのは、ネガティブスプリットの方が気持ちがいいということです。
・後半失速型の「意図しない」ポジティブスプリットはシンドイ
・ペース管理がキッチリのネガティブスプリットはとても爽快
コースによっては、ネガティブスプリットにならなこともあるので、もっと的確に言うと、ペースコントロールして走り切る、ということでしょうか。
ペースコントロールは当たり前のことかもしれませんが、後半撃沈型のランナーがたくさんいるのが事実です。ですから、多くのランナーが実際にはできていないです。
今回の結果はどうかというと、前半の20㎞よりも後半の20㎞の方が約2分くらい
余分に時間がかかっています。
下のグラフのように、勾配が約5%の登りと下り坂が23㎞、34㎞付近にあることを
考えると、前半20㎞・後半20㎞は、ほぼイーブンペースで走りきれた、といってよいと
思います。
ちなみに、獲得標高はガーミン測定で678mだったので、わたしが過去出場した
レースで最高でした。
自分をほめてあげたい。
標高の高さはどのように影響したか?
上のグラフのように富士山マラソンは、標高が800m~1000mくらいの
コースです。
標高1000mが私の体にどのような影響をもたらしたか。
富士山マラソンのときと、普段のトレーニングのときの心拍数データについて
ガーミンの記録で比較してみましょう。
グラフ① 富士山マラソンのときの心拍数
キロ4:50くらいのペース。
グラフ② 普段のトレーニング(20km走)の心拍数
キロ4:35くらいのペース。
富士山マラソンと普段のトレーニングの心拍数の推移を見比べると、違いがわかって
きます。
心拍数の推移
走るペースが一定ならば、心拍数は徐々に上がっていくのが普通です。
グラフ②のトレーニングの時の心拍数のグラフがまさにそれです。
その理由は、体内深部の体温が上昇すると一般的に心拍数は上がるからです。
ところが、富士山マラソンのグラフは、普段のトレーニングよりも遅いペースで
走っているにもかかわらず、6㎞くらいの地点で心拍数が最大で200を超えています。
このときキロ4:50ペースなので比較的楽に走れるペースでした。
※普段のトレーニングでは心拍数が190を超えることすらないです
走っているときにガーミンで心拍数を見ていたので、心拍数の高さにビックリしま
したが、体の感覚としては苦しくもなく、だるくもありませんでした。
また、ガーミンの心拍数は、たまにうまく計測できていないように感じることも
ありますが、この日はそういった変な動作ではありませんでした。
いろいろググってみた結果、以下のようなことが体内で起こっていたのではないかと
考えています。
1.走り始め、酸素濃度が90%で普段よりも少ないので、酸素が不足した
2.その結果、体は心拍出量を維持しようとした
(心拍出量とは、心臓によって単位時間当たりに送り出される血液量のこと)
3.心拍出量を維持する応急対応として、心拍数が一気に上がった
4.そのままだと心臓への負担が大きいので、1回の拍動で押し出す血液の量を
増やすことで心拍出量を維持する方針切り替わった
5.押し出す血液の量が増えたので、後半は心拍数が低下した
グラフ①の心拍数の推移は、このような動きで説明がつきます。
タイムへの影響
このレース全般を通して、平均心拍数・最大心拍数ともに、普段の15%くらい高い
値だったにもかかわらず、結果としては想定内のペースで走りきれました。
この結果だけをみると、「酸素濃度の低下を補うために、普段よりも心拍数が
上がることで、体内への酸素運搬はできていた」と考えられます。
ただし、1968年のメキシコシティーオリンピックのように、標高が2000m以上の
場合を見てみると、前後の大会と比べて8分くらいフルマラソンのタイムが遅いの
が分かります。
以上を踏まえると、標高1000mでは、数分くらいタイムへの影響はあるのかもしれませんが、大きな影響はなかったと言えると思います。
まとめ
- 今回のレースでは、当初目標としていたサブ3.5を達成できた
- ペースコントロールはできていた※撃沈はしていない・・はず
- 標高1000mによるタイムへの影響は限定的だったと思われる