心拍トレーニングのすすめ

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ブログ管理人のヤギです。

 

ランニングを始めて半年以上たってようやく心拍数の重要性に気が付いたので、今日は心拍トレーニングをおすすめする記事を書いてみたいと思います。

 

記事のベースは、こちらの書籍「いまから始める心拍トレーニングBOOK」を参考にしています。

トレーニングのときのランニングペースをベースに、目標のペースを設定して撃沈したレースの苦い記憶

わたしは昨年の冬からランニングを始めたのですが、今年の5月くらいから、どうもタイムが伸び悩んできました。もしかして、自分の伸びシロが無くなったのではないかと思ったのでした。

 

しかし、8月になったら脱水して更に走れなくなってきたので、さすがに気温や湿度などの影響だろうと気がついて、環境がランニングのタイムに及ぼす影響の大きさについて、初めて身をもって知ったのでした。

 

思い返すと、12月のたホノルルマラソン・4月のグアムマラソンでは、トレーニングでは十分イケるペースだったのに完全に撃沈したのも、環境の違いを考慮せずに目標ペースを設定したことが原因でした。

ランニングペース以外の何を基準に、自分の調子や環境の変化に対応すればよいか

上に書いたような経験から、自分のトレーニングのときのタイムだけを頼りに自分の実力を把握しているのでは不十分だ、ということに気が付きました。

 

タイム以外に何か補足的に、自分の調子や環境の変化を反映した「指標」のようなものはないか?と調べてみた結果、心拍数にたどりつきました。

 

ベテランランナーなら当たり前に心拍数を気にしながらトレーニングしていると思いますが、ひとりでトレーニングしているような初心者の市民ランナーだと、この心拍数の重要性になかなか気がつきません。

心拍トレーニングとは?

心拍数をトレーニングに取り込むには具体的にどうすればよいか、と調べてみると「心拍トレーニング」について書いてある書籍がいくつかありましたので、ひとつご紹介したいと思います。

心拍トレーニングとは、スポーツのトレーニングに『心拍数』を取り入れることです。

科学的な研究によって、人間の心拍数は、トレーニングの効果や結果に対して影響があることが分かっています。

 

本記事ではこちらの書籍に書いてある内容をもとに、心拍トレーニングについて概要をご説明します。

心拍トレーニングの基本はゾーンという考え方

心拍トレーニングの基本は、トレーニング時の心拍数によって『鍛えられる能力が異なる』、という点にあります。

 

例えば、持久力を向上させたい場合なら、自分がどの心拍数でトレーニングをすると効果的なのかを知っておくことで、トレーニングの効果を最大限に発揮することが出来るわけです。

 

こうした心拍数の値は、ある程度の幅があるのですが、その幅のことを『ゾーン』と言います。ゾーンは以下のように一般的に5つにわけることができます。

 

【5つのゾーンと特徴】

  • ゾーン5 瞬発力の向上
  • ゾーン4 運動能力の向上
  • ゾーン3 有酸素運動能力の向上
  • ゾーン2 自給力向上と脂肪燃焼
  • ゾーン1 運動不足解消、体力の回復

 

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  出展:いまから始める心拍トレーニングBOOK

ランニングのトレーニングをするうえで、ゾーンを知っておいて損はなさそうです。

 

ゾーンは個人ごとに違うので、つぎは自分のゾーンを調べる方法を確認しましょう。

自分のゾーンを知ろう

まずは簡単な算出方法で自分のゾーンをざっくり確認しておきましょう。

 

この値をベースに、自分の能力に合わせてゾーンの値を調整すればよいと思います。

【まずは最大心拍数を知る】

最大心拍数の概算方法にはいくつかあるようです。

 

いくつか試したところではどれも同じような結果になったので、最も一般的と思われる以下の計算式を採用します。

 

 最大心拍数 ≒ 220 - 年齢

 

わたしは38才なので、182が最大心拍数の目安ということになります。

 

トレーニングを積んでいる場合、実際の最大心拍数は、この数値よりも大きくなる傾向があります。

 

【最大心拍数の早見表】

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【自分のゾーンを知ろう】

自分の最大心拍数の概算値がわかったら、ゾーンを確認しましょう。

 

上の表で確認した最大心拍数をもとに、下の表でゾーンを確認することができます。

 

例えば、最大心拍数が185の場合、下の表の赤枠で囲った部分を横に見ていくことで、各ゾーンの心拍数を知ることが出来ます。

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わたしの場合は、最大心拍数の目安が182なので下のようになります。

 

※ガーミンの測定値では186くらいまでは良くいくので、実際はもう少し上の心拍数かもしれません。調整の余地がありそうです。

 

 ゾーン5 164~182

 ゾーン4 146~164

 ゾーン3 127~146

 ゾーン2 109~127

 ゾーン1  91~109

自分のAT値(無酸素性作業閾値)を知ろう

自分のゾーンに加えて、知っておきたい数値としてAT値(無酸素性作業閾値)があります。

 

AT値は、有酸素運動から無酸素運動が優位になる境目のことです。

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出展:いまから始める心拍トレーニングBOOK

上の図のように、運動強度が高まっていくと血液中の乳酸濃度が上がっていきます。その上がり方がある点を境にして急激になります。この境目になる点がATです。

 

ATを超えると筋肉中の乳酸を分解するのが追いつかなくなって、どんどん乳酸が溜まっていくので、長時間の運動ができなくなってしまいます。

 

長距離のランニングなどの持久力系のスポーツでは、自分のAT値を超えると急激にパフォーマンスが下がるので、レースなどではAT値を超えないようにコントロールすることが重要になってきます。

【AT値をタイムで把握しているだけでは不十分な理由】

AT値をランニングのタイムで把握している市民ランナーは多いと思います。例えば私の場合は、現状では5:00くらいのペースです。

 

しかし、このAT値のペースは環境によって大きく変わってきます。

 

例えば以下のような条件が少し変わるだけで、トレーニング通りに5:00で走っていても、20km・30kmで付近でペースを維持できないほど疲労して撃沈してしまったりします。

 

  • 気温・湿度
  • その日の自分の体調や疲労度合
  • マラソンコースの高低差

以上の理由から、ランニングペースだけを頼りにしてマラソンの目標ペースを設定するのは不十分であることがわかります。

 

そこで、心拍数をウォッチすることで、その日に合ったAT値をコントロールできるようになり、本番レースで最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。

AT値の心拍数の求め方

このAT値に達する心拍数は、「最大心拍数の80~85%」ということが分かっています。

 

例えば最大心拍数が182の場合以下のようになります。

 

  • 最大心拍数   :182
  • LT値 :146~155 ※この心拍数でAT値に達する

マラソンのトレーニングにゾーンを役立てよう

心拍数やゾーンは、本番レースだけではなくトレーニングにも役立てましょう。

 

マラソンのトレーニングをするときには、以下の表のようにゾーンを意識すると良いです。

 

マラソンの記録向上を狙うには、ATスピードの向上が必要になってくるので、主にゾーン4のトレーニングを意識的にやっていく必要があります。

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出展:いまから始める心拍トレーニングBOOK

マラソンのレースではどのくらいの心拍数を維持すれば良いか?

こちらの書籍(いまから始める心拍トレーニングBOOK)によると、フルマラソンの場合は下図のようにだいたいゾーン3~4の間、最大心拍数の80%くらいを目安にすると良いそうです。

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出展:いまから始める心拍トレーニングBOOK

ランニングウォッチで心拍数をリアルタイム測定しよう

心拍トレーニングを知ってから、わたしはガーミンを買いました。ちょっと高い買い物ですが、ランニングシューズほどには消耗しませんので長く使えます。

 

わたしが購入したのは「GARMIN(ガーミン) ランニングウォッチ GPS ForeAthlete 235J 」です。

ランナー向けのエントリーモデルといった位置付けだと思います。

 

先日の記事でハーフマラソンのPBを10分更新したと書きましたが、PBを10分更新するペースで走っていても心拍数が抑えめだったので、撃沈の心配なく走りきることができました。

 

スマートウォッチをお持ちでない方は、ガーミンでなくても良いので、心拍計測機能がついているスマートウォッチをぜひ使ってみてほしいです。