【マラソン研究】マラソンのコース取りでタイムを短縮しよう!
ブログ管理人のヤギです。
わたしは習慣的にランニングをしていますが、マラソンのレースで自分の自己新記録を更新することをひとつの目標にしています。
同じように、自己記録(PB)を更新することを目指している市民ランナーは多いと思います。
そのような市民ランナーは、1分でもタイムが縮まるように日々努力しているものと思いますが、本番のレースでの『コース取り』には、どれくらい気を使っているでしょうか。
おそらく、コース取りを気にするランナーがいる一方で、気にしないランナーもいるだろうと思います。
本記事では、マラソンのコース取りが最終的にどれくらいの距離の差、タイムの差を生むのかについて調査してみたいと思います。
日本陸連の公認コースの距離の測定方法について
まずは、日本陸連の公認のマラソンコースになるための主な条件を確認してみましょう。
1.コースの長さは競技距離より短くてはならず、かつ誤差は競技距離の1000分の1以下(マラソンでは 42m 以下)
2.上記の条件を満たすべく、距離の測定にあたっては1001mをもって 1000m=1km とする
3.スタート地点からゴール地点までの標高の減少は競技距離の1000分の1以下(マラソンでは 42m 以下) 注:全体が下り坂基調のコースを禁止するため。
4.スタート地点とゴール地点との距離は、直線で競技距離の2分の1以下 注:一本道の直線に近いコースでは気象条件によっては常に追い風になる可能性があるため。21世紀現在では世界的に、自転車計測員が3台の距離計付き自転車で縁石から一定の場所を走行して3台の平均値で距離を求める方法が主流となっている。
簡単に言うと、公認のマラソンコースは
「短すぎてもダメ」
「長すぎてもダメ」
「下りすぎてもダメ」
「直線ばっかりでもダメ」
ということになっていて、距離は以下の範囲に収まる必要があります。
42.195km <= 公認コースの長さ <= 42.195km+42m
コースの距離を測定するときは、計測用の自転車で、道路の縁石から30cmのところを測定するのが基本です。S字カーブのような場所では、最短距離を測定します。
※実際に縁石30cmを走ると、歩道の横ギリギリになります
以上のように測定されているのですが、最短距離を走ることは難しいので、わたしたち市民ランナーは、42.195kmよりも長い距離を走っていることが予想されます。
実際にどのくらいの距離を余分に走っているのか?
それでは、実際にはどれくらいの距離を余分に走っているのでしょうか?
わたしが以前参加したマラソン大会で、スマホのランニングアプリを利用して計測した距離で確認してみます。
みなさんも、ご自分のデータでぜひ確認してみてください。
【スマホアプリRunkeeperのデータ】
参加大会 GPS距離 余分な距離(m)余分な距離(%)
2018年 ホノルルマラソン 42.69km +495m +1.2%
2019年 おきならマラソン 42.56km +365m +0.86%
2019年 グアムマラソン 42.44km +245m +0.58%
各大会でバラツキがあるものの、私の場合は数百メートル(数分)のロスがあったと考えられます。
また、ネットで他のランナーの口コミも調べてみたところ、スマートウォッチでの測定距離が43kmを超えたという書き込みも多数見られました。
そもそもGPSの測定は正確か?
更に言うと、GPSは一定間隔ごとに位置測定をしていて、その点の直線距離を計測しているので、一般的には実際に動いた距離よりも少しだけ短く測定されると思われます。
例えば、以下の図のように、実際は道路を走っているはずなのに、民家の上を通過したような記録になっている部分は、実際の距離よりもGPSの測定距離のほうが短くなってしまっているはずです。
つまり、マラソンでは「GPSで測定した距離よりも更に長い距離を走っている」可能性が高いということになります。
※例えば、ガーミンの口コミを見ると、距離が短く測定されるという書き込みが多いのはそのためだと思われあす。ガーミンのGPS測定モードは、デフォルトから毎秒に変更することができますので、GPSの精度が悪くてお悩みのかたはGPSの設定を変えてみるといいかもしれないです。
どんな風に走ればよいか?
大勢の参加者がいるマラソン大会では、最短距離で走るのは難しいと思います。
最短というよりも、まずはムダな走り方をしないことが重要だと思います。
【ムダな走りの具体例】
例えば、コチラのように大きく道路を外れている走り方。
前に詰まっているランナーを追い抜くためだったと記憶していますが、蛇行しています。
続いて、コチラの例。
地図の下から上に向かって、右折&右折なのですが、道路の左端の方まで大回りしているので、数メートルは余計に走っています。
【ムダのない走りの具体例】
次は、ムダのない走り方の例です。
S字カーブのようなところでは、下の赤いラインのように最短距離を進めばよい(実際にマラソンの計測のときも同じラインになる)のです。
しかし、疲れてきて地面を見て走っていると、青いラインのように沿道を走ってしまいがちです。こういうラインを走っていると、余計疲れます。
出展:https://frytiger.com/archives/3913.html
ムダに走らないために気を付けること
ムダに走らないために気を付けることを箇条書きにしました。
- スタート直後、遅いランナーを無理に抜こうとして、蛇行しない(一番ダメ)。
- 左カーブは歩道側を走る(声援も受けられる)
- 右カーブは道路中央を走る
- S字カーブの部分はなるべく直線的にコース取りする(曲がると速度も落ちる)。
- トイレはなるべく事前に済ませる。
- 給水・給食を取ろうとして、急に横移動しない。前方の給水は空いているので、滑らかに移動する。
他に気を付けるべきこと
ただし、距離だけを気にしていてもダメなようです。
例えば、日本の道路は水はけを良くするために、道路の中央が盛り上がっていて、歩道側の方が盛り下がっていることが多いので、歩道側よりも道路中央が走りやすかったりします。
同じような例として、道路は車のタイヤの跡の部分が削られてしまい(ワダチですね)、ランナーがそこ走ると体が傾いた状態になるので長距離のランニングには良くない影響を与えます。
それから、サブ4、サブ3.5、サブ3などの切りの良い記録を狙っている場合は、GPSの誤差を考えて、少し余裕をもってラップを刻んでいきましょう。ギリギリのタイムで走るとGPSの誤差の分だけタイムが届かない可能性があります。
まとめ
以上色々書きましたが、ざっくりいうとコース取りの際は以下のことを気を付けましょう。
- 最短距離をイメージしてコース取りすること
- 道路状況のよいところを選んで走ること